認定NPO法人3keys

1．事業の概要と成果

2025年上半期にプロトタイプが完成し、全国の児童福祉施設に、オンラインサポート開始のご案内とあわせてセミナーの開催をお知らせしました。結果として、多くの支援者が「学習習慣応援セミナー」に参加し、事業の目的や意義に共感を寄せてくださいました。 

セミナーに参加された施設と個人参加の方が、セミナーにつづくオンラインサポート体験会に参加してくださいました。現在、そのうち数施設と継続的な支援に向けた調整を進めています。今後のさらなる展開につながる手応えを感じています。 

2．活動実績

1．オンラインプラットフォームの立ち上げ 

学習サポートのオンライン化にむけ、これまで施設に赴いてオフラインで行ってきた学習サポートの現場活動を見直し、「オンライン化できる部分/できない部分」の切り分けと検討を丁寧に行いました。 

その結果、子どもたちの学習のつまずきを発見するためのオンラインになっても不可欠な要素は維持し、丁寧なくりかえしの解説が必要なノウハウ伝授については動画を提供するなど、オンラインになっても不足のないサポートプランを構築することができました。 

教材共有・進捗確認・フィードバックを含むオンライン支援の仕組みを立ち上げています。 

2．オンラインセミナー開催と全国への周知 

オンラインプラットフォームのプロトタイプ完成後、全国の児童福祉施設(児童養護施設、母子生活支援施設等)に対し、オンラインセミナーを開催し、そのなかでオンラインサポートの開始のご案内をしました。 

結果として、多くの支援担当者が参加し、「学習環境への配慮について勉強になった」「スモールステップで学習を進める大切さを知った」といった感想が寄せられるなど事業の意義やニーズをお伝えする貴重な機会となりました。 

3．継続的な支援の進行 

オンラインセミナー開催後、いくつかの施設との継続的な学習支援契約の調整を進めています。各施設ごとに、子どもたちの実情に寄り添った支援方法を個別に検討し、長期的な伴走支援に向けた関係構築が始まっています。 

3．課題、今度の展望や活動計画

学習に困難を抱える子どもたちが生活する児童福祉施設では、日々の「生活支援」が中心であり、「学習支援」の必要性を感じていても、そこに充てるリソースに余裕のある施設は多くないという実感があります。 

本事業で始めることのできたオンライン化の推進は、今後より多くの子どもたちに継続的な学習サポートを届けるための土台となるだけでなく、サービスを広く全国に届けることで、「学習困難な子どもたちに特化した学習支援」に関心を持ち、実際に対策を取ることのできる施設とつながるきっかけとしても重要であると考えています。 

オンライン化推進とともに、子どもたちが学習につまずく背景には必ず理由がある(教科書や市販教材には抜け落ちている説明が多くある)ことが社会課題として認知されるよう、知見を広げていくことも私たちの大切なミッションと捉えています。単に、教材やノウハウを提供するということ以上に、子どもたちのつまずきを丁寧に見つめ、支援の視点を深めていく所存です。