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一般財団法人教育支援グローバル基金ビヨンドトゥモロー

逆境を超え、共感力ある未来のリーダーを育成するための人材育成プログラム 〜社会的養護や貧困、単親家庭などに暮らす 10 代の若者に向けた「居場所と挑戦の場」の提供〜

当団体は、社会的に困難な状況に置かれた若者に対し、社会をより良くする担い手としての志と力を育む教育支援を行っています。経済的困難や家庭環境の課題、被災経験など、背景にかかわらず、誰もが希望を持って学び、将来に向かって歩むことができる社会の実現を目指しています。

1.事業の概要と成果

2024 年度は、これまでの継続的な支援に加え、能登半島地震によって被災した若者への支援が新たな重要課題となりました。当団体は、特に被害の大きかった石川県内の高校や支援団体と連携し、現地での説明会の実施や奨学金の提供を通じて、地震の影響により将来への不安を抱える高校生に対し、新たな一歩を踏み出す機会を届けました。 
加えて、全国の奨学生を対象に、オンラインや対面での人材育成プログラムを展開し、対話や他者理解、多様な価値観との出会いを通じて、将来に向けた志の醸成を図りました。プログラム後のアンケートでは、参加者の約 9 割が「自分の想いや考えを発信する力が高まった」と回答しており、自信や前向きな姿勢を持つきっかけとなっています。 
今後も、被災や困難を経験した若者に寄り添いながら、彼らが自らの可能性を信じ、未来を切り開いていくための支援を継続してまいります。 

2.活動実績

1.奨学金支給 

支給対象:大学・短大・専門学校への進学を希望する児童養護施設などの社会的養護の施設および里親家庭に暮らす高校生(一部、前年の研修に参加したひとり親家庭や生活保護受給世帯で暮らす高校生を含む) 
24 年度は 16 名の奨学生のうち、7 名が進学に際しての試験料の支給申請を行い、当基金から奨学金として検定料を支給しました。

2.オンライン・対面での研修について 

① オンラインプログラム 

24 年度は計 3 回のオンラインプログラムを実施しました。 
6 月より第一回のオンラインプログラムを開始。自身の適正について考えるワークショップや、ゲストのお話を聞き、自身の適正や将来のキャリアについて考える機会を持った。7 月には奨学金申請に向けた作文の書き方やコツなどを奨学生にとり先輩であるインターン生から学びました。 
11 月には第三回プログラムを実施。アコム株式会社様ご協力のもと、お金と正しく向き合う力を養うべく、金融トラブルを防ぐための知識や、トラブルに巻き込まれた際の解決策、信頼できる相談相手を見つけておく大切さなどを学びました。 

② 対面プログラム

2024 年 8 月 6 日〜10 日、石川県・福井県にて、4 泊 5 日の「サマー・リトリート2024」プログラムを開催しました。 

参加学生
  • エンデバー(高校生)奨学生(13 名) 

8 月の研修においては、社会的養護の下に暮らしたり、ひとり親家庭など家庭環境に困難を抱える若者が、普段の生活から離れ、様々な人との出会いや経験をすることで、将来のビジョンを描くことを目的としています。 
今回のプログラムテーマは「将来のビジョン構築 〜 逆境を経験した若者の可能性と社会への貢献 〜」とし、能登半島地震が豪雨で被災した石川県輪島市を訪問したほか、福井県では同年代の高校生と交流し、最終日の学生発表の内容をまとめました。 
研修期間中には、様々な体験を行いました。 

1 日目:ゲストセッション(NHK 金沢放送局) 

初日には、NHK 金沢放送局を訪問。「報道の立場から見えた能登半島地震」をテーマに、地震発生当時に直接災害の現場を目にした方からの貴重な経験をお話いただき、災害が多く発生する日本に住む自分たちに何ができるのかを考えるきっかけとしました。 

2 日目:石川県立輪島高等学校訪問 

学校の授業の一環として「街活性化プロジェクト(街プロ)」に取り組む輪島高校の生徒の皆さんと街プロの取り組みにについて意見交換を行いました。巨大地震を経験しながらも、地域のために活躍している高校生との交流会では、お互いの経験を生かした有意義な時間とすることができました。 

3 日目:防災体験学習 

学生の立場で災害発生にどんな役割を果たすことができるのかを考えながら、災害発生を想定し新聞紙を活用したスリッパやカレー作りを体験し、自然災害発生時に大切な自助共助、そして公助について改めて考える時間となりました。

3〜4 日目:美浜町エネルギー体験教育 

美浜原子力発電所訪問、電池遊覧船体験、エネルギー教育施設「きいぱす」での体験学習を通し、身をもって電気供給の仕組みや大切さ、発電所立地自治体の現状を町の方からのお話も踏まえ学びを深めました。

5 日目:提言発表会

5 日間のプログラムを通して得た学びを最大限生かし、「『わたし』だからできる誰もが輝ける社会形成のためのアクション」を発表しました。「偏見に対して自明性を疑え」「仲介者」「第三者のつながり」「目標推し活」といった各班のテーマのもと、自分達だからできることを発表しました。 
5 日間を通して、これから起こりうる災害にどう備えていくのか、「わたし」だからできることは何なのかを、一人ひとりが真剣に考えました。彼らの将来にとって、そしてこれからの社会にとって、この 5 日間が大きな意味をもつものとなりました。 

参加学生の声

エンデバー(高校生):Aさん

最も心に残っていることは自分の成⻑を感じたことです。今までのプログラムでは班でのディスカッションのときは周りの意見に合わせたり曖昧でもわかったフリをする時か時々ありましたが、今回のプログラムでは自分の考えや思ったことはそのまま言うことが出来たり少しでも疑問があった時はしっかりと質問をすることができました。 

スカラー(大学生等):Bさん 

震災の爪痕を肌で感じて、辛いのに目が離せなくなった。私は子どもたちのために何か将来アクションを起こしたいと思っているが、災害を前にしたら全て無力だと思った。それを少しでもやわらげるために防災の意識をもっと高めたいと思った。 

3. 個人面談 

年間を通し、対象となる奨学生(高校生)に向けては、オンラインにて、弊財団スタッフ及びインターン生が面談を行いました。 
面談を通して、自分を見つめ成⻑に気づき、今後の生活やビヨンドの活動に生かすきっかけとすることを目的としました。 
4~5 月、8~9 月、1~2 月にそれぞれ 30 分程度で近況やプログラムに参加した後の心境、進学等に向けての予定や不安な点の共有・相談などをおこないました。 

ビヨンドトゥモローでは、年間を通じて高校生のリーダーシップ育成を目的としたプログラムを実施しています。活動の成果を見える化するため、年度初めと年度末に同じ設問でアンケートを行い、その変化を測定しました。ここでは、特に大きな変化が見られた 7 つの質問を取り上げ、奨学生の成⻑の様子を紹介します。 

人生に対する満足度について

まず、「自分の人生に対する満足度」については、年度末には 27 人中 26 人が「とてもそう思う」または「そう思う」と肯定的に回答。これは、プログラムを通じて自己理解が深まり、自身の歩みに肯定感を持てるようになったことを示しています。 

周囲との関わり 

「問題が起こったときに誰かに頼ることができるか」という問いでは、年度初めは16 人中 6 人がネガティブな回答をしていましたが、年度末には 15 人が肯定的に回答し、他者との信頼関係や支援の重要性を実感した変化が見られました。 

キャリア選択における視野 

「将来についていくつか選択肢がある」との問いには、年度初めに 6 人が「そう思わない」と答えていたのに対し、年度末には 13 人が「とてもそう思う」、3 人が「そう思う」と回答し、プログラムを通じて新たな視野を得ることができました。 

身近なロールモデル 

また、「ロールモデルがいるか」という質問では、当初は全員が「いない」と回答していましたが、年度末には半数の 8 人が「いる」と回答。1 年間のプログラムを通し、目指したい人物像を一人でも見出すことができたことは大きな変化であると言えると思います。 

自己表現について 

「自分の意見を他者に伝えることが得意」との問いでは、初めは 16 人中 9 人が苦手意識を持っていましたが、年度末には全員が肯定的に回答し、自信を持って自己表現ができるようになったことが明らかになりました。 

チームワーク・コミュニケーション力について

「日常の集団生活に積極的に参加する」という質問では、初めは半数以上が消極的な姿勢を見せていたものの、年度末には全員が肯定的に回答。自己表現や他者との関係構築における積極性の高まりが見られました。 

実行力・計画性 

「課題や目標に向けて逆算して計画できるか」については、初めは 7 割近くが苦手と感じていましたが、年度末には 12 人が肯定的に回答し、実行力や計画性の面でも着実な成⻑が見られました。 

総評

これらの結果から、奨学生たちはこの 1 年を通じて、自己理解や表現力、人間関係の築き方、そして将来に向けた視野や行動力といった多面的な力を身につけていったことが分かります。数字だけでなく、その背景には、一人ひとりが挑戦し、悩み、周囲と支え合いながら成長してきたプロセスがあります。ビヨンドトゥモローの活動が、若者たちの可能性を引き出す場となっていることが、こうした変化からも示されています。 

3.課題、今度の展望や活動計画

本事業を通じて、「多様な逆境を経験してきた若者たちの出会いの場」をつくる意義を再確認した一方で、背景や状況の異なる学生同士が安心して対話できる関係性づくりには、より丁寧な準備とファシリテーションが必要であることが課題として見えました。また、被災地との連携活動においては、活動の目的設定や交流対象者の選定に難しさがあり、今後は現地との対話を事前に深め、相互にとって意義ある関係構築を目指したいと考えています。 

さらに、参加者の成⻑のプロセスをより中⻑期で支える観点から、1 年の支援が終了した後のコミュニティとしての繋がりの強化が必要であると感じています。また、2025 年度以降も、復興支援など、他地域や異なる環境で生きる学生同士の学び合いをより深められるプログラム設計を検討中です。

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どんな環境で育つ子どもも自身の未来に希望を持ち、その明るい未来を掴み取る力をつけてほしい、
私たちピースワラべはそう願って支援を続けていきます。そのためには、皆さまからの温かいご支援が欠かせません。
一人でも多くの子どもたちに、成長と学びの場を届けるために、どうかお力添えをいただければ幸いです。

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