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2025.09.26

【SIAカナダ研修レポート】問いを立て続けた旅。支え合える仲間とこれからもずっと

カナダ滞在6日目は、フードバンクNorth York Harvest Food Bank(NPO)でのボランティアから始まりました。
午前は、地域のフードセキュリティと支援の仕組みについて学ぶセッション。カナダでも物価高や住居費の上昇で食品支援の需要が高まっているという説明に、子どもたちは真剣な表情で耳を傾けていました。
続いて、食品が詰まった大きな段ボールからの仕分け作業へ。ラベルはすべて英語でしたが、英語が得意でない子も周囲の大人に英語で質問しながら自分の役割に没頭します。
「缶詰はこっち?」「賞味期限切れてる!」と確認し合ううちに、自然とチームワークが生まれ、現場の熱が一段上がりました。
最終的に用意できたフードは合計2トン。スタッフの方からは「あなたたちがいたから実現した!」と感謝の言葉がありました。ここから地域の必要な方々へ届けられます。
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7日目は、ナイアガラの滝へ。
クルーズで滝つぼの近くに向かうと、全身が水しぶきに包まれ、びしょ濡れになりながらも笑いが止まりません。写真では撮りきれない迫力を体いっぱいに浴びて、自然の大きさにただ見入る時間が流れました。
その後、Niagara on the Lakeを散策。歴史的な建物や穏やかな景色をバックに、馬の蹄の音だけが響くゆったりとした心地いい時間が流れていました。お土産を選んだり、アイスクリームを頬張ったりと、それぞれのペースで観光を楽しみました。1J5A1067

8日目は、Black Creek Pioneer Village に行きました。Pioneer Villageは、19世紀のオンタリオ州の農村生活を体験できる歴史的テーマパークです。
古い校舎や当時の暮らしを再現した建物を巡るうち、時間が巻き戻ったような静けさの中で、歴史好きの子の目が輝きます。職人の道具や黒板の文字、硬い木の床の軋む音までが、想像力を刺激してくれました。

最終日の前日は自由行動。子どもたちが自分たちで行き先を考えました。美術館組と水族館組に分かれたり、ショッピングを楽しみました。1J5A8629

■ 涙と言葉が紡ぐ絆─ツアーの振り返りと、未来へ向かう決意

旅の終わりを迎えた夕方、子どもたちと大人たちは、この10日間の旅全体を振り返る時間を持ちました。カメラマン兼事務局リーダーが、この旅で撮り貯めた映像を一本にまとめ、子どもたちのために特別な動画を制作。映像には公聴会の瞬間、さよなら食事会、日常の中の小さな笑顔など、旅の中で紡がれたすべての奇跡のような瞬間が詰まっていました。
動画の視聴が終わると、会場は静寂の中に大粒の涙が溢れる場へと変わり、子どもたちも大人たちも、そのまま振り返りの言葉を一人ひとりが述べました。

そこで交わされた言葉は、人々の胸に深く刻まれるものでした。ある子どもはこう語りました。
──「昔から、”児童養護施設で暮らしてなければこんな自分になっていなかった”と思っていました。でも今は、施設にいるからここに来ることができた。この機会を持てたから、自分のことを誇りに思えるようになったし、自分の考えも受け入れられるようになった。」 ──

──「このツアーが終わるのがすごく寂しくて、悲しい。でも、すごく成長を感じた10日間でした。この経験を次世代へ繋げていけるように、足を止めずに頑張りたい。」 ──

涙と振り返りの言葉が交差するこの場は、単なる旅の終わりではありませんでした。
それは、それぞれが一歩成長し、新しい未来へ向かう準備を始める瞬間。過去を受け入れ、現在の自分を讃えつつ、未来に向けた心の絆を感じる場となりました。1J5A7973

■ 「 またね 」──新たな物語への入り口

最終日。名残惜しさを胸に抱えながら、子どもたちは日本に向かう準備を始めます。スーツケースは旅の間に増えた荷物で少し重たくなったけれど、それを引く彼らの表情にはどこか軽やかさが宿っていました。

長いフライトを終え、空港では別れのときが訪れます。
羽田空港での別れは「またね」という声が自然と重なり合い、想像していたよりも明るく、前向きな空気をまとっていました。子どもたちの口から出る「またね」という言葉は心からのものであり、それは彼ら自身がつながりを信じ、未来を約束している証のように感じられました。

この一言には、ただ単なる挨拶以上の意味が込められていました。少し前までは地域も生まれ育った環境も異なり、交わることのない存在同士だった子どもたち。その距離を埋め、共に笑い、涙を流したこの旅の時間が、心からつながることの可能性を教えてくれたのです。気づけば「次に会う約束」が当然のように交わされており、その約束が確実なものとして心に根付いていることが感じられました。
この旅は子どもたちそれぞれの未来を明るく照らす転機となり、「またね」という言葉は「まだまだ続く物語」の始まりを示しているのでしょう。1J5A5955

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この旅は終わりではなく、新しい物語の序章です。
このかけがえのない経験を一人でも多くの子どもたちに届けるため、ぜひあなたの力を貸してください。未来への架け橋となるその一歩が、次世代に希望を繋げる大きな可能性となります。寄付という形で、彼らの「またね」を応援してみませんか?

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