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2025.12.26
2026.01.02

子どもを“まんなか”にー「こども基本法」がめざす社会とは

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「こども基本法」という法律を知っていますか?子どもを取り巻く環境が複雑化している近年の日本において、子どもを守るために彼らの声に耳を傾け、意見をしっかり取り入れていくことが求められてきています。

こども基本法は、そうした子どもを権利の主体として尊重しながら、一人ひとりが自分らしく成長でき、幸せに暮らしていけるような社会を目指していくための法律です。

本記事では、こども基本法の概要から生まれた背景や目的、取り組みまで分かりやすくご紹介します。

こども基本法とは

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こども基本法は、子どもを中心とした社会をつくるための法律で、2022年6月に成立、2023年4月1日に施行されました。子どもを一人の人間として尊重し、その権利を守るため法律として定めたものであることから、子どもの権利条約の4つの一般原則が反映され、基本理念にのっとったさまざまな施策に取り組んでいます。

ここでは、こども基本法の目的や背景など、詳しい概要を見ていきましょう。

【参照】こども基本法(概要)

目的

こども基本法の第一条には、この法律がつくられた目的について、次のように定められています。

こども基本法第一章 総則(目的)第一条 この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする。
引用:e-Gov 法令検索|こども基本法(令和四年法律第七十七号)

こども基本法はすべての子どもや若者が健やかに成長し、どんな状況下であっても将来にわたり幸せな生活ができる社会を実現することを目的としてつくられました。国や地方自治体などは、この基本法に沿って社会全体でさまざまな「子ども施策」を進めていきます。

対象年齢

こども基本法における「子ども」とは、”心身の発達過程にある者”をいいます。成長していくそれぞれの過程で、社会で幸せに暮らしていくことができるよう支援をしていきます。そのため、一律に年齢を区切らず18歳でも20歳でも必要な支援があれば、個々に応じて途切れることなくサポートすることが求められます。

背景

こども基本法がつくられた背景には、子どもに関するさまざまな問題が関係しています。少子化が進む一方で、児童虐待や不登校児童が増加し続け、家庭環境も複雑化が進み、一部の子どもにとっては取り巻く環境はとても厳しいもので、従来の制度だけでは対応しきれないケースや場面が増えてきています。

こうしたなかで日本には「子どもの権利条約」や「児童福祉法」はありましたが、子どもの権利を保障する法律はありませんでした。

そこで、子どもを取り巻くさまざまな問題を解決するため、そして権利や子ども自身を守るため、子どもに関する取り組みや考え方を一つに集約した「こども基本法」が策定されました。

これまでは、それぞれ別々の法律に基づいて子どもに関する多様な取り組みが進められてきましたが、こども基本法の施行を機に、この法律が子ども政策における共通の基盤となったのです。

こどもの権利条約の4つの一般原則

こども基本法は、子どもの権利条約の4つの一般原則が反映されています。

①生命、生存及び発達に対する権利(医療、教育、生活)
②子どもの最善の利益
③子どもの意見の尊重
④差別の禁止(人種や国籍、性、意見、障害、経済状況など)

こども基本法は、これらの子どもを大切にするための一般原則を、日本の制度や社会に根付かせるための法律とも言えます。

こども基本法の6つの理念

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こども基本法は、以下の6つの基本理念をもとに施策が行われます。

①すべての子どもは個人として尊重され、基本的な人権が守られるとともに、差別を受けることがないようにすること。

②すべての子どもは適切に大事に育てられること。生活が保障され、愛され、保護される権利が守られること。そしてその成長・発達・自立が図られ、福祉に係る権利が保障されるとともに、平等に教育を受けられること。

③子どもが年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言え、社会のさまざまな活動に参加できること。

④すべての子どもは年齢や発達の程度に応じて意見が尊重され、その最善の利益が優先して考えられること。

⑤子育ては家庭を基本としながらそのサポートが十分に行われ、家庭で育つことが難しい子どもも、家庭と同様の環境が確保されること。

⑥家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること。

基本理念が明確に示されることで、子どもたち自身だけでなく周囲のおとなも、子どもの権利に対する認識を改めることができます。

こども基本法の具体的な取り組みとは

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こども基本法は、子どもを取り囲むさまざまな問題にアプローチをしていきます。ここでは、その具体的な取り組みをみていきましょう。

子ども施策

こども基本法では、「子ども施策」として子どもに関わるあらゆる取り組みや支援をしており、例えば次のようなことを行っています。

●子どもが大人になるまでの各段階において、健やかな成長のために切れ目ないサポートをすること(居場所づくり、いじめ対策など)

●子育てにともなう喜びを実感できる社会の実現のため、就労や結婚、妊娠や出産などにおけるサポートをすること(働きながら子育てできる環境づくり、相談窓口の設置など)

●上記の施策と一体的に行われる施策
・教育:国民全体の教育の振興など
・医療:小児医療を含む医療の確保、提供など
・雇用:雇用環境の整備、若者の社会参画支援、就労支援

このように子ども施策は、子どもの成長を支援するだけでなく、就労や子育てをする人たちのサポートなども含め、子どもに関するさまざまな施策を行っています。

こども大綱

子ども施策を総合的に進めていくための基本的な方針を示すものを「こども大綱」といいます。こども大綱は、子ども政策推進会議が作成し、より具体的な目標や達成期間を定めているのが特徴です。そのなかで、以下のことを使命として策定していきます。

こども大綱の使命は、常にこどもや若者の最善の利益を第一に考え、こども・若者・子育て支援に関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据え、こどもや若者を権利の主体として認識し、こどもや若者の視点で、こどもや若者を取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもや若者の権利を保障し、誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しすることにより、「こどもまんなか社会」を実現していくことである。
引用:こども家庭庁|こども大綱

ここでいう「こどもまんなか社会」とは、次のようなことをいいます。

「すべての子どもが日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約の精神にのっとり、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、健やかに成長することができ、心身の状況や置かれている環境等にかかわらずひとしくその権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる社会」

「こどもまんなか社会」の実現は、子どもや若者が自らの希望に応じてその意欲と能力を活かすことができるようになることや、子育てなど個人の希望が叶うことにつながります。そして、個人や社会全体の幸福の追求において非常に大切な役割を果たすのです。

子ども家庭庁との関係性

こども基本法と子ども家庭庁は密接に関係しています。子どもに関する問題が深刻化していくなかで、一向に改善の兆しが見えてきません。

こうした状況を踏まえ、子ども基本法をもとに国や各地方自治体などのさまざまな機関が手を取り合って施策に取り組んでいく必要があります。そこで、こども基本法のスタートに合わせ、”子ども施策の司令塔”として誕生したのが「子ども家庭庁」です。

制度や組織による縦割りの壁を克服し横の連携を密に行いつつ、政府全体のこども施策を強く推進し、リーダーシップを発揮する大事な役割を果たします。つまり、子ども家庭庁は法律とさまざまな機関の間に立ち、中心となって子ども施策を総合的に進めていくのです。

このように、こども基本法が理念とルールを示すもの、子ども家庭庁がそれを実行する司令塔という関係性といえます。

子どもまんなかアクション

こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」の実現のために、子ども家庭庁は「こどもまんなかアクション」という取り組みを始めました。「こどもまんなか応援サポーター」を中心に、個人や団体が“こどもまんなか社会”の実現に向けた取り組みを実行していきます。

例えば、「子ども食堂」もその取り組みのひとつです。

また、全国には子どもが主体となって営業をする飲食店、保護者と参加できるワークショップや料理教室、なかには音楽団といった活動も存在しています。

こども基本法で何が変わる?子どもの意見は反映されるのか

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こども基本法はすべての子どもを権利の主体とし一人の人として受け入れ、そして健やかに成長できるよう支援し見守っていくための法律です。そのため、国や都道府県、市町村は子どもや若者の意見を尊重し取り入れながら施策を進めていかなければなりません。

そうすることで、子どもを取り巻く状況が良い方向に変化していき、社会が子どもを見る視点が変わります。

また、子どもの意見を取り入れる手段としては、インターネットでのアンケートや行政の職員が直接話を聞きに行く、子どもに審議会などへ参加してもらうといったものがあります。そこで集まった意見を子ども家庭審議会などに届け、施策の目的を踏まえた上で実現できるかどうかを検討しながら、すべての子どもや若者が幸せに暮らせる社会を目指していくのです。

まとめ

こども基本法は、子どもの最善の利益を最優先に考え、子どもの声を大切にするという共通の土台を社会に示しました。

こども基本法には国民の努力についても明記されています。

国民は基本理念にのっとり子ども施策について関心と理解を深めるとともに、子ども施策に協力するよう努めなければなりません。国や自治体だけでなく、私たち一人ひとりがこの法律の理念を理解し、日常の中で実践していくことが、子どもにやさしい社会への確かな一歩となります。

この記事が、みなさんの「こども基本法」についての関心と理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

【参照】
こども家庭庁|こども基本法
こども家庭庁|こどもまんなかアクションファクトブック
こども家庭庁|こども基本法とは?
内閣官房|こども基本法に基づくこども施策の策定等へのこどもの意見の反映について
朝日新聞|こども基本法とは?子どもの権利条約との関係や基本理念・問題点を解説 | 朝日新聞社 先生コネクト

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